堀辰雄文学記念館

私の大好きな作家である堀辰雄さんの奥様、堀多恵子さんの訃報を知り、驚きました。

堀多恵子さん死去:「いつも笑み浮かべ」関係者しのぶ/長野

5月に開かれる予定だった緑陰講座に参加したいと思っていた矢先でしたのでとても残念です。

軽井沢追分には『堀辰雄文学記念館』がございます。

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旧堀辰雄邸

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堀辰雄さんが完成を心待ちにしていたという書庫。自宅の離れにポツンと佇んでいます。

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書庫の中は別世界に足を踏み入れたような雰囲気です。四畳半一間のこの空間は理想的な書斎ではないでしょうか。

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この他にも充実した展示室や資料館が併設されています。

堀辰雄さんは本の装丁にとてもこだわりを持たれていて、多くのエピソードが残っていますので、ちょっとだけご紹介します。

またあれは何時のことだったろうか、そう丁度『菜穂子』の御本が上梓された時代、その御本のお話をしていらして、私が表紙の純白な清楚さのことを一寸申上げると、「だけど、あの箱の色がどうも少し気にいらないや」と、まだ残念でならない様に口の中でもぐもぐとおっしゃる。

兼子らん子

ドストエフスキイの他の赤い表紙のいやな英譯本と異なって、すっきりとした、氣持ちのいいその本だけは、妙に讀みたくてたまらなかったもんだったね。

堀辰雄

僕はあんまり凝った本は嫌ひだから、そんなものは期待しないで欲しい。僕は何氣ない装幀が一番好きなんだ。

堀辰雄

堀辰雄の生涯の書物はどれも凝った美装の書物ばかりであった。

室生犀星

堀辰雄文学記念館

所在地:長野県北佐久郡軽井沢町大字追分662

TEL:0267-45-2050

開館時間:9時~17時(入館は16時30分まで)

休館日:水曜日・祝日の翌日・年末年始(7月15日~10月31日は無休)

入館料:大人400円、子ども200円(追分宿郷土館と共通)